かうして昆虫や花の話をしてゐる間に

 かうして昆虫や花の話をしてゐる間に、時が経つて、ポオル叔父さんがきのこの話をする筈になつてゐた次ぎの日曜が来ました。集りは第一回の時よりも大勢でした。有毒植物の話は村中にひろがつたのでした。愚かな或る人達は、『そんな話が何んの役に立つのだ。』と云ひました。『役に立つとも。』と村の人々は答へました。『毒草を知つて、ジヨセフのやうに無残な死にかたをしないやうにするのだよ。』しかし愚かな人々は只平気で頭を振つてゐました。馬鹿ほど恐ろしいものはありません。かうして、気の向いた人だけがポオル叔父さんの処に聞きに参りました。
『あらゆる毒草の中で、きのこが一番恐ろしいものです。』と叔父さんは話し始めました。『それでも、どんな人でも引きつけるやうな、非常においしいたべものになるのがあります。』
『きのこの味は一々違ふやうですね。』とシモンが云ひました。