火星の生物
火星の生物が、なぜ高等植物の進化したものであるか分らないが、植物であることは、偽博士の身体の中からでてきた草色のどろどろの粘液が、
それを証明していると思う。それを疑う人は、そこから一本の草をとってきて、どんな汁が出て来るかねじってみるがいい。
火星の生物は、サチ子を喰べようとしたのであった。その前に、彼はまず轟博士を喰い、その次に下婢のマリアを喰べたのだ。博士の小屋の裏手にある三本椰子の下、サチ子がみつけたバラバラ死体の埋めてあった所を掘り返してみると、その中から、果然老いた男と若い女と都合二体の骨格や、喰いかけの手足などがでてきたことによっても知れる。
この事件がかたづいて、僕とサチ子の仲は、急速に近づいた。しかし片づかないものは、地球にだんだん近づいてくる火星のことであった。われわれ二人は、博士の遺志をついでこの花陵島にたてこもり、あくまで火星の生物に対抗しようとかたく誓ったことであった。
学習塾 京都 金時の火事見舞い - OZ CIRCLE