一言でいうと
一言でいうと、彼等は西洋の幽霊そっくりだった。つまり人間が頭からスッポリと白布を被った恰好に等しかった。
しかし身体はまるでアミーバーのように、自由に形をかえられるものと見え、決して一定の形をしていなかったがそれでも大隅の顔とほぼ同じ高さのところに首らしいものがあり、そしてその中にはどう見ても眼玉と覚しきダイヤモンドのように光る丸いものが嵌めこまれていた。しかしその眼玉は人間のように二個ではなくて、三個であった。その三個の眼玉の間隔はたいへん離れていて脊柱(もし有るならば)を中心として約百二十度ずつ開いた角度のところに嵌まっていた。それから見ると、この白幽霊は、人間の眼のように正面だけが見えるばかりではなく常に前後左右いずれの方向も見えるだろうと思われた。実は、これは後になって発見したことだったが、この白幽霊は、もう一つの眼を頭の真上にもっていた。それは上方を見るに都合のよいものであった。しかしこの時は、そんな思いがけないところに眼があろうとは思わなかったので見遁してしまった。
シュウシュウシュウシュウと、彼等はひとしきり激しく鳴き合っていたが、この鳴き声は何の意味だか分らない。そのうちに、一団の中から、一匹の白幽霊が大隅の前に進み出た。すると俄かに彼は、白幽霊の音なき声を了解したのだった。
“辻川博士は何処へ行ったのか?”
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