このことがあって二日ほどたったとき

 このことがあって二日ほどたったとき、またまた船員は、世にもふしぎなできごとにであった。
 船員は、じぶんの部屋でゆっくりとコーヒーをすすっていた。
 たっぷり砂糖をほうりこんだ、濃いコーヒーをうまそうに飲みながら、かたわらの新聞をながめていると、
「おおい、あにき、あにきいるかい」
と、われるように戸をたたく者がいる。
「だれだい? しずかにしろ、戸がこわれるじゃないか。戸をたたくのをやめて入ってこい」
 ころがりこんできたのは、かれのなかまのわかい船のりだった。
「なんだい、ひどくあわてて……どんな大事件が起こったっていうのかい? えっ、おまえ、透明人間にでもぶつかったというのかね?」
 船員はなかまの顔を、にやにや笑って見ながら声をかけた。
「いいや、透明人間じゃない。だが、おなじようにへんなふしぎなことなんだ」
「ふしぎなこと? まあいいから落ちつきなよ。コーヒーをごちそうするから、ゆっくり話したらどうだい」