何とかして、地球人類を
「何とかして、地球人類を助けてやる方法はないものですかねえ」
先生は、むだなこととは知りながら、またしても、博士にそれを相談せずにはおられなかった。
「だめじゃ。よほどの奇蹟でもないかぎりは……」
博士の返事は、先生の考えていた通りであった。
二人が、話をしている時、暗中で、五つの赤い電球が、しきりについたり消えたりしはじめた。すると博士は、あわてて立上った。
ぴかぴかぴかと、しきりについたり消えたりする赤い電球は、何を知らせているのであろうか。
蟻田博士は、くらがりでもよく目が見えるらしく、立上ると、何かしきりに機械を廻している様子だ。
がらがら、がらがら。
高声器の中から、雑音が出て来た。空電がはいっているらしい。博士は、なぜ高声器を働かせているのか。
「博士、どうしたのですか」
と、新田先生はたずねた。
だが、博士はそれに答えなかった。その代りに、高声器の中からはげしい雑音に交って、何かしきりにわめきちらしているような人の声が聞える。
その声は、はじめ、たいへん小さかったが、しばらくすると、雑音以上に大きくなって来た。しかもその声が、日本語でしゃべっていることがわかった。