もう一度覚悟

慧鶴ももう一度覚悟しなければならなくなった。だが、そのときは早や身体も心もへとへとになって、

ぼんやりした気持で、ただ成行きに任せるより仕方がないという諦らめだけだった。何となく自分の不運ということだけが感じられて淡い涙が眼瞼を潤おした。夜中頃、困憊してうとうとしかけた慧鶴の耳に火口から東海面へ二度ほど何やら弾ねる音がして、夜目にも火口の火気は急に衰えた。暁方に見ると煙はすっかり止まっていた。人々は今度は本当に安心しかけた声を出して外へ出だすと雪がちらちら降り出して来た。それで折角楽しみにした噴火口の展望も探り見ることが出来なくなった。アンティーク メダイ 危なきこと累卵の如し